とろけるくらい愛してる
おやすみなさいの時間だよ。
鳥束君があんまり可愛い反応するもんだからちょっと調子乗っちゃったけど、斉木さんはものすげえ鳥束君LOVEです。

鳥束が中々寝なくてうざい、自分の安眠の為に寝かし付けてやるか、たまにはサービスな、て骨組みに肉付けしたら微妙になった。
けど本当の本当に、斉木さんは鳥束君LOVEなんですわかって下さい。

寝かし付け

 

 

 

 

 

 お互いの寝巻とベッドをさっさと復元し、ぼう然とする鳥束を寝かせて、自分も隣に横になる。
 取り返しのつかない粗相をしてしまったと、鳥束は搾りかすのような風貌でぼんやり天井を見つめていた。
 かなり疲れているようだが、満足感はあるようなのでよしとする。
 これで静かに寝るだろうと思ったが、そうでもなかった。
(どうしよう、斉木さんのベッド、オレの……きっとびしょ濡れだ)
(ああ、きっと斉木さんにも呆れられたな…あんなみっともないとこ見られて、どんな顔して会えばいいんだよ)
 安心しろ鳥束、お前のみっともないとこなんて飽きるほど見ているからな、今更疑似おもらしくらいでどうこうなる訳ないだろ。
 それに、こっちのみっともないとこも散々見てるんだからこれでおあいこだ。
 やれやれと布団をかけてやる。
『復元しておいたから何も心配ない。何一つ気にする必要はないから、とっとと寝ろ』
「あの、斉木さん……なに?」
『すっきりしたのだからもう眠れるだろ』
「ええ…ああ…はい」
 頭も回ってないようだし声もかすれているな、少しやり過ぎたか。
 ちょっとだけ反省する。
(そうか、斉木さんにかかればこれくらいは粗相の内に入らないのか)
(なんだかひどく複雑だ)
(すげぇ気持ち良かったけど、でも……)
「……すんません斉木さん、みっともないとこ」
『気にするな。疲れたろうからもう寝ろ』
 鳥束は済まなそうに縮こまり、すんませんと小さく呟いた。
(オレが斉木さんを寝かし付けるつもりだったのに、逆に斉木さんに寝かし付けられてる…マジオレカッコ悪い)
 でも今までにないくらい気持ち良かったと続く脳内に、お前にカッコいい時があったかと大きくため息を吐く。
 段々と心の声が不明瞭になり、鳥束の意識が眠りに落ちていくのが分かった。
 それからいくらもせずに、心地良さそうな寝息が聞こえてきた。
 ゆっくり身体の向きを変え、鳥束を見やる。
『みっともないのも別に、嫌いじゃないからな』
 鳥束の意識のどこかに届いたのか、あるいは単なる偶然か、見つめる先の顔がだらしなく緩んだ。
 気持ち悪い顔だな。
 だというのに頬が緩んだ。
 ふにゃふにゃと笑う顔にそっと触れ、指先で唇を撫でる。
 すぐに手を引っ込め、僕も眠りについた。

 

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