百年の恋も冷めちゃうわ

 

 

 

 

 

 待望の物がついに出来上がった時、中々悪くないなと自賛めいた目付きになったその顔が好き。

「つけてみてもいい?」と聞いた途端ちょっと困った風に眉を寄せて複雑になったその顔が好き。

 コナン君からの贈り物、コナン君が作った手編みのシュシュを、まずは、手で束ねた髪のところにあててみる。

「似合うかな」そう聞くとますます表情は複雑になって、こっちまで少し不安になってしまったがそんな時の顔が好き。

 初めて作ったにしては上出来で、自分の指導が良かったからねと自画自賛、それは隠して、ついに髪につけてみる。ああもったいない、ドキドキする、嬉しいな、いいでしょう、ありがとう…次から次へと込み上げる喜びに頬がだらしなくゆるんでしまう。それを見ておっかなびっくり笑った顔が好き。

「どうかな」尋ねると、あたたかみを感じさせる優しい表情がゆっくり表れて、少し見惚れているようでもあって、むず痒くなってしまう。でもそんな顔が好き。

「……うん、似合うと思うよ」声はちょっと素っ気なかったけれど、素直な輝きを宿したその顔が好き。

「本当にありがとう、すっごく嬉しい!」歓喜にまだ胸がドキドキしている。指先で、大事に大事に髪飾りに触れる。ひと針ずつ丁寧に編んでくれた姿はまだ目蓋の裏に残っている。心にくっきり刻み込まれた。顔がみっともなくにやけたまま元に戻らない。だってコナン君が…アイツが、これを作ったなんて嬉しくておかしくて嬉しい。幸せ。

 ふと見ると、照れくさそうにむず痒そうに笑って見やっているのが目に入った。

 黒縁の大きな眼鏡と小さな身体、でも中身は全然変わってなくて、昔からよく知っている誰かの、その笑顔が好き。

 

 ありがとう、コナン…君

 ……どういたしまして

 大事に使うね

 うん……よろしく

 本当にありがとう、すっごく嬉しい

 ……うん、ボクも

 

 ぼそっと漏れた言葉、二人分の言葉を乗せて気持ちをくれるあなたが大好き。

 

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