カレーライス(笑)

 

 

 

 

 

今日の晩ご飯はカレーライス。

コナン君の大好きなカレーライス。

 

玉ねぎをキツネ色になるまでじっくり炒めて、

じっくりじっくり根気よく炒めて、

ジャガイモ、ニンジン、リンゴに豚肉……

みんな柔らかくなるまで煮込んで煮込んで。

トロトロ、トロトロ、トロトロ……

 

アクを取るのも忘れない。あっちにグツグツ、こっちにグツグツ。

すくって、とって、じっくり煮込む。

 

今日の晩ご飯はカレーライス。

コナン君の大好きなカレーライス。

 

カレーのルゥを溶かしたら、隠し味にコーヒー粉をパラリ。

お父さんはうんと辛口。

わたしは中辛。

コナン君は……

 

「ねえ、コナン君はどれくらいの辛さ?」

 

椅子に乗って横に並んだコナン君、スプーンでカレーを一口味見。

 

「このくらいでちょうど良いよ」

 

……ほんとうに?

 

ちょっと心配。だって、だって。

こんなに辛いのよ。舌がピリピリして、お腹が熱くなる。

ほら、額に少し汗が浮いてるし。後でお腹痛くしない?

でもそんな事言ったら、気を悪くするかな。

子供扱いして、って、怒るかな。

 

そんなつもりはないからね。

だってわたしは知ってるもの。

けど心配。身体は子供なんだもの。

 

「今日のカレーもすっごく美味しいね」

 

もう、そんな無邪気に言わないで。

わたしの苦労も知らないで。

いいわ。コナン君もうんと辛口ね。

後でお腹痛くなっても、知らないから。

全部新一が悪いんですからね。

 

……でも、もしもの為に、薬は用意しておくわ。

お腹が痛くなったらこっそり飲んでね。

あんまり心配させないで。

ねえ、コナン君。

 

今日の晩ご飯はカレーライス。

コナン君も大好きなカレーライス。

 

 

「いただきます!」

 

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